MISSION仕事紹介

04巨大な電力機器を
輸送せよ

私たちが安心して生活するために欠かせない電気。社会の“あたりまえ”を支え続けるエネルギーを供給する発電所や変電所では、大型の発電機や変圧器が必要となる。ところが、国内では、これまで長い間ライフラインを支え続けたこれらの重要機器の老朽化がすすみ、更新のニーズが高まっている。今回はお客様から街の郊外にある変電所への変圧器輸送の依頼を受けた。数百トンという巨大かつオーダーメイドの重量物のため、貨物トラックなどの通常の手段で輸送することは不可能。数年にわたる一大プロジェクトに重機事業部の精鋭たちが挑む。

TEAM

  • 物流管理スタッフ
  • ロジスティクスエンジニア

ACTION

現地調査
および
輸送計画・申請

発電所や変電所の立地環境に応じて、貨物船や鉄道、専用の特殊トレーラーなどさまざまな輸送方法を検討し、最適な手段を選択するのが計画の基本。輸送手段が決まればルートの調査と検討を綿密に行う。陸上をトレーラーで運ぶ場合、道幅が狭い所や急カーブ、高さに制限のある場所など、安全に通過できるかを検証。さらに、海上を船で運ぶ場合、航海中の安全、品質確保に加え、現地荷卸しの岸壁や大型クレーン船などの検証も必要となる。もちろん、安全性や品質のほか、コストなども考慮する。この輸送計画をもとにメーカーは製品の設計を検討し、製造を開始する。

  • 物流管理スタッフ

道路・橋梁
補強計画と
許認可申請

今回の案件は内陸部の変電所。海岸沿いにある変電所のように貨物船での輸送はできない。そこで、変電所のある最寄りの鉄道駅まで特大貨物専用の貨車で輸送し、その後、特殊トレーラーに積み替えて現地まで輸送することが決まった。輸送に鉄道や一般道路を使う場合には、JR貨物や道路管理者への許可申請が必要だ。私たちが普段利用する鉄道路線上を低速で走行するため、ダイヤの調整が必要となり、その折衝に1年以上を費やすこともある。また電力機器は非常に重く、道路の通行には厳しい条件が課せられ、道路橋などを通過する場合は橋の補強対策もしなければならない。関係各所や官公庁ほか、行政への許認可申請や折衝も重要な仕事なのだ。

  • ロジスティクスエンジニア

完成品を
試験解体し、
輸送開始

製品は完成後に工場での確認試験を経て、外装部品をすべて取り外し、出荷準備が整い次第輸送をスタート。工場の敷地内に設けられた鉄道引き込み線から専用貨車に積み込まれる。一般道路では車両の少ない深夜に、トラクターを前後に連結したトレーラーで、交差点や高架橋下などのチェックポイントを人が歩くくらいのスピードで慎重に通過する。一般の交通にできるだけ支障のないよう、橋の補強を計画しなければならない。そのため補強機材設営班が先回りし、トレーラーが通過する直前に設営を行い、通過後すぐに解体する。輸送班とのチームワークも重要だ。

  • 物流管理スタッフ

現地に搬入し
重量物を据付

変電所搬入後、大型クレーンや油圧ジャッキなどを使いトレーラーから変圧器を荷卸し。指定された場所へ正確に本体の据付を完了した。その後、工場出荷前に取り外した部品類などは、組み立ての工程に合わせてトラックで出荷・搬入され、数週間かけて変圧器の据付が完了となる。広大な施設で、巨大な製品を扱うスケールの大きさを実感するとともに、メンバーたちは長期にわたるプロジェクトの管理能力を身につけた。

  • 物流管理スタッフ

SOLUTION

電力機器の更新により、
電気の安定供給を支援

代品の無い電力機器の輸送では、いかなる失敗も許されない。そのため、安全・品質・工程のトータルな管理能力が問われるプロジェクトだ。電気は、私たちが安心して暮らすために必要不可欠な生活インフラのひとつ。もちろん、発電機や変圧器がなければ電気を安定供給することはできない。一大プロジェクトを終え、エンドユーザーやメーカーであるお客様から確かな信頼を勝ち取ることができた。